令和3年12月16日 沼津朝日記事

沼津信用金庫と地域の社会福祉法人が主体となり地域貢献のために立ち上げた後見法人「一般社団法人しんきん成年後見サポート沼津」が設立から4年半。今回、同法人が取り組む事業の中で初となる事例があった。
仮に相談者をAさんとする。市内に住んでいたAさんは60歳代の女性。独身で両親も兄弟もいなかった。一昨年、病に侵され医師から余命1年の宣告を受けた。家、財産、葬儀など考えておかなければならないことが山ほどあり悩んでいたところ、友人の紹介で同サポート沼津へ相談に訪れたのが昨年の夏。そこで担当者が口にしたのは「一緒に考えていきましょう。」
そこから今年夏の訪れを待たずに亡くなるまでの間、職員が幾度となく面会を重ね、Aさんの心の内を察しながら、「本人にとって、より良い形」を徐々に整えていった。
まず、自宅は信頼のおける不動産会社の査定に基づいて「リースバック方式」で売却した。この方式によれば長年住み慣れた家に、そのまま住むことができ、売却代金に関しても本人が納得した上で決定できるというメリットがある。
金融資産に関しては、話し合いの中で具体的な遺贈先を選定していった。
何よりAさんの意思を尊重すること。遺贈先は「大きなところはいや、小さくても誠実な活動を行っている団体。」
犬好きだったAさんは、愛護精神に則り真摯に活動を続けている団体への3,000万円の遺贈を決めた。早速、その方面の選定に職員が動いた。
情報収集だけでなく現場にも足を運び、Aさんの意思を受け止められるところかどうかも確認。先方も当初は多額すぎる寄付に戸惑ったようだが、Aさんの気持ちを酌んで犬舎と共養塔を建てることを計画している。
次に、長年世話になった地元の県東部4市3町の7社会福祉協議会に1,000万円を分配することが決まった。
一方、未来につながる寄付先も模索。その中で白羽の矢が立ったのが「公益財団法人ふじのくに未来財団」。この財団は「応援したい人」と「社会を良くしたい人」を取り持つ静岡県初の市民コミュニティ財団として活動している。
2日、1,000万円の贈呈式が上土町の沼津トラストビルで開かれた。同財団にとっても遺贈による基金の設立は初のケース。Aさんの遺言の最後に「弥栄(いやさか)ましませ」とあったことから「弥栄基金」と名付け、今後、県東部エリアでAさんの遺志を生かしてくれるところを選定していく。
伊藤育子代表理事は遺贈先に同財団を選んでもらえたことに謝辞を述べた後、遺贈に関して勉強会を重ねたことを明かし、「こうした境遇の人が増えている時代を背景に、遺贈は『最後の社会貢献』」だとし、「選考委員会に諮り、寄贈後の見届けもしっかり行って故人の遺志に沿った使い方をし、この第1号を成功させたい」と話した。
サポート沼津にとって今回は「受任したら最期まで」の一例だが、伊藤代表理事からは、信用金庫が主体となって成年後見組織を運営していることへの驚きと同時に安心感が語られた。
サポート沼津の海田新也事務局長は「深甚なるAさんの感謝の気持ちを大切に、当法人に遺贈先を託された重責を担いながら、なんとかいい着地点が見出せた気がする」とし、「今後も、この地域に住んで幸せ、と感じてもらえるサポートを続けていきたい」と語った。

令和3年12月7日 静岡新聞記事

沼津市内の女性の遺言に基づき、しんきん成年後見サポート沼津がこのほど、故人の遺産1千万円をふじのくに未来財団に寄付した。同財団は寄付を基に「弥栄(いやさか)基金」を設立し、地域貢献に活用していく。
しんきん成年後見サポート沼津は、法定後見人や任意後見人など高齢者等サポートを実施し、遺言書の作成支援や遺言執行の受任などを行っている。同団体が支援した故人の「地域に貢献したい。小規模で誠実な活動を行う団体の力になりたい」との遺言に基づく遺贈寄付。基金は故人の遺志に応え、県東部を中心に、高齢者福祉や動物愛護、地域活性化、子育て支援に取り組む団体などに助成していくという。
同市上土町で行った贈呈式で、同財団の伊藤育子代表理事に目録を手渡した同団体の海田新也事務局長は、故人が記した「弥栄」を基金の名称にしたと説明し、「故人の遺志に沿えるよう、地域の繁栄につながることを祈念する」と話した。伊藤代表は「新しい社会貢献の形を作っていきたい」と述べた。

新聞記事等

令和2年6月6日 静岡新聞記事

沼津信用金庫(紅野正裕理事長)が主体となり、社会福祉法人などと成年後見業務を支援する一般社団法人「しんきん成年後見サポート沼津」がこのほど、設立から3年を経過した。受任件数は設立当初の目標を上回る法定後見24件、任意後見7件となり、担当者は「地域貢献としてさらに活動を推進し、制度普及につなげたい」と意気込んでいる。
同法人は認知症など判断能力が不十分な人たちの財産管理などを法的に支援するため、法定後見人や保佐人、補助人、任意後見人を受任している。同信用金庫の元職員がスタッフとなっているのが特徴で、金融機関のノウハウや専門家とのネットワークを生かした活動を進める。
後見業務は同信金の営業エリアとなっている沼津や御殿場など7市町を中心に活動。スタッフが毎月本人と面談をし状況確認している。複数人の担当者が関わり相互けん制やサポートを図ることで、不正防止につなげているという。遺言作成や任意の財産管理など高齢者への総合的なサポートも実施。担当者は「地域の高齢者が抱える不安の解消に向けて積極的に支援していく」と話す。
紅野正裕理事長は、「住民が安心して暮らせるよう基盤を整えるのが責務。弁護士や行政など地域の関係機関との連携強化と制度の周知を図りたい」と述べた。

新聞記事等

令和2年4月29日 沼津朝日記事

沼津信用金庫と地域の社会福祉法人が主体となり、地域貢献のために立ち上げた後見法人「一般社団法人しんきん成年後見サポート沼津」が5月で設立から3年の節目を迎える。
高齢社会の急速な進展に伴い、高齢者、障がい者の身上保護や財産管理をサポートする成年後見制度の普及が急務となった。一方、同制度が施行された翌年の2001年には受任者の9割以上を占めた親族が徐々に減り、昨年は2割程度までに減少し、後見人等の担い手不足が深刻な社会問題となっている。
委任者も、いわゆる「おひとりさま」ばかりでなく、親族が遠方に暮らしていたり、疎遠だったり事情は様々のようだ。
上土町の沼津トラストビル4階にある同法人で海田新也事務局長に話を聴いた。
3年経過した現在の受任状況は、本人の判断能力が不十分な場合に、家庭裁判所への申立てにより選任される「法定後見(後見、保佐、補助)」24件、判断能力がしっかりしているうちに、万一に備える「任意後見」7件。40代から90代までと年齢にも幅がある。
設立当初の目標を大きく上回る数だというが、海田さんは「もっと多くの人にこの法人の存在を知ってほしい」と願っている。
そこには海田さんが設立の準備段階から関わり、全国で初めて東京都品川区の5信用金庫が共同で立ち上げた法人から多くを学び、設立に尽力した経緯もあるようだ。金融機関が主体となって設立された後見法人の第2号としての誇りと使命感が言葉の端々から察せられる。
県東部の4市3町をエリアとする同法人の特色は、沼津信用金庫との取引や財産の有無は問わない。活動するスタッフは信金の元職員で、人柄も含め、志のある人を選擢している。
現在は男性5人、女性5人が男女ペアの2人体制で活動。毎月本人と面会しての状況確認を欠かすことなく継続し、財産管理は、信金で培ったノウハウを生かして安全に管理。任意後見にも力を入れている。
法人で受任するメリットは、ほかにもある。複数人が関わり相互に牽制できることや、運営には弁護士、司法書士などの専門家が検証する体制で臨むなど、組織力を生かした活動は「安心して生きる」ことへの応援でもある。
昨年暮れにNHKの「ニュースウォッチ9」で、同法人が信金が取り組む稀有な例として紹介された中での印象的な一場面。
「あなた達(法人スタッフ)がいるから安心して死んでいける」と達観した様子で語る88歳の女性。任意後見契約を結んだ後の素直な心境を映し出していた。
沼津信用金庫の紅野正裕理事長が長年描いていた、金融機関ができる社会貢献「安全・安心の『幸齢化社会』」の具現化の1つが同法人の継続と充実と発展にあるようだ。
「受任したら最期まで」の世界は、信頼がなければ成り立たないし、得意とする金融分野だけでなく福祉という未知の世界にも踏み込まなければならない。しかし、「地域の顧客を増やすことで、信用金庫本体にも必ずやメリットがある」と確信する海田さん。
同法人事務局の女性が「それぞれの人生に関わらせていただける仕事」と謙虚に語る言葉からは、社会との関わりを長い目で優しく見守る姿勢が伝わってくる。
紅野理事長が唱える「信用金庫こそ任意後見を担うべき」という強い言葉に牽引されるように、「この地域に住んでいて幸せ、と感じてもらえるサポートをしていきたい」と、海田さんは人生のインフラともなり得るこの成年後見サポート事業の伸展に注力を惜しまない様子だ。問い合わせは同法人(電話955-7006)。
※成年後見制度=判断能力が不十分な成人に代わり、本人の意思を尊重し、心身の状態や生活状況に配慮しながら、財産管理や必要な契約を結ぶなど、援助者が本人の利益を考えて法律上の行為をする制度。

新聞記事等

平成30年6月1日 静岡新聞記事

沼津信用金庫(紅野正裕理事長)が県東部の社会福祉法人などと協調し、法定後見や任意後見の支援を行う一般社団法人「しんきん成年後見サポート沼津」を設立して5月で1年が経過した。1年間で法定後見5件、任意後見1件を受任した。(東部総局・橋爪充)
同法人は認知症の高齢者の財産管理などを代行する後見人、保佐人、補助人、任意後見を受任し、信金のOB、OG7人がスタッフとして支援に当たる。信金が組織する成年後見法人は、2015年に東京で発足した城南信金などによる「しんきん成年後見サポート」に次いで全国2例目。
受任は沼津市の地域包括支援センターや御殿場市社会福祉協議会の紹介がほとんど。介護放棄の状態にあった70代の女性を同社協が救出し、親族との交渉で同法人が後見人になったケースもある。同社協の担当者は「安心して相談できる窓口。ハードルが高い印象がある制度を身近に感じられる」と金融機関が関わる法人後見活動の意義を強調する。
法人設立後、同信金は17年7月に「成年後見預金」の取り扱いを始めた。県内12信金に取り組みが広がり、18年3月末時点の預金残高は11億7370万円、12信金全体では50億円を超えた。
同法人は7月、同信金駅北支店にある相談窓口を同市上土町に新設する法人事務所に移す。担当者は「スタッフの育成が課題だが、行政と連携して人員確保に努めたい」と、サービス向上に意欲を示した。