≪受任等状況報告 令和6年10月末現在≫

≪事例1≫​​​後見活動について 
80歳代のお一人暮らし、お子様のいらっしゃらない女性の方。ご親族は疎遠になっていました。
この方は、認知症で短期記憶がなく、数分前のことを覚えていられません。何度も同じ質問をされていました。
日常生活において大量の食品を購入してしまったり、同じ洋服を何枚も買ってしまったり、お金の管理ができなくなってしまいました。
行政の自立支援事業の利用と、週二回のヘルパーさん、週一回の療養看護をお願いしていましたが、認知症の進行と今後のことを考えると施設入所を検討したいとのことで、当法人にお声がかかり、後見人を受任することとなりました。
約3ヶ月をかけ施設を見て回り、この度やっと施設に入所することができました。自宅から施設への引っ越す場合荷物の量が多いので、ご本人の意向を尊重しながら施設に持っていく物、一時保管しておく物、処分する物に分け、かなりの時間をかけて片づけを行いました。

後見人の仕事としては業者などの手配をしたいところですが、ご本人と一緒に片づけることで信頼関係が増すこともあり、後見スタッフには大変な思いをして協力してもらいました。
現在の施設での生活は、規則的な時間に食事を取り、お風呂も定期的に入れるようになり、体調も安定してきました。
日中は施設の催し(ぬり絵や折り紙、書道など)を楽しんでいる様子です。

≪事例2≫法定後見
施設に入所中で子供のいない70代男性。金銭管理は社協の自立支援事業サービスを利用されていました。
認知症が進み、サインができなくなり困っていると施設と社協からご相談を受けました。
成年後見開始申立を本人申し立てで行い、後見人を受任しました。ご本人は脳の病気で数回倒れたことがあり、今後の財産管理を後見人に頼みたいこと、入院手続きなどをしてほしいとの意向があります。
最近では、月1回訪問する後見スタッフが来ることを楽しみにしており、洋服に関してのこだわり話を聞き、その方に合った洋服を購入して持って行ったりしています。

≪事例3≫任意後見契約
元会社経営者の男性。ご自分の老後のことは自分で決めたいという意向がありました。
興味を持っていたところ、当法人が任意後見を行うとの話を聞き、積極的に任意後見契約公正証書作成の説明を聞いてくださいました。
ご自分所有の株についての相談もあり、任意後見契約の中で後見人に任せる代理権目録の内容を通常よりも細かく決めました。
オリジナルの契約ができることも任意後見契約の良いところだと実感させられました。
親族に任せると負担になるため、当法人に管理してもらいたいとのことでした。

任意後見人は、家族への負担を減らすために当法人が受任する運びとなり、作成後は気持ちが落ち着き、安心したとのことです。
お元気なうちからご本人の意思を聞くことができるため、今後、認知症を発症してもご本人の希望に沿った後見活動が行うことができると思っています。

≪事例4≫任意財産管理契約及び任意後見契約
80代独身の男性。軽い脳梗塞を発症し、幸い麻痺は残らない状態まで回復しましたが、物忘れが激しくなり認知症にならないか心配していました。
沼津信用金庫の支店で当法人についての説明を聞き、一般の保証会社を頼むことになるより信用金庫が作った法人にお願いしたいとの意向で、認知症になる前から支援を受けることができる『任意財産管理契約および任意後見契約公正証書』を結びました。

「大切なものは金庫で保管してもらえるし、自分が重要なことを判断しなければならないときはどこに電話したらいいか悩んでいたが、相談するところができて非常に安心している。契約することによりサポート料金はかかるが、生きたお金の使い方ができていると実感している。」とおっしゃってもらっています。
「お金は貯めていれば安心だが、実際に動いてはくれないからね。」との言葉も印象的でした。